住宅省エネ2023キャンペーン
について
住宅の省エネ・脱炭素について
気候変動問題に対する世界の動き
近年の研究では、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」
すでに産業革命(18世紀半ばから19世紀頃)に比べて、世界の平均気温は1℃程度上昇したとされ、こうした中、世界各国は2015年のパリ協定において、『世界の平均気温の上昇を、産業革命以前に比べて2℃より十分に低く保ちつつ(2℃目標)、1.5℃に抑える努力は追及する(1.5℃努力目標)』に合意しました。
さらにその後、気温上昇を約1.5℃に抑えるためには、2050年前後にCO2排出量を正味ゼロにする必要があるとされたことから、各国はそれぞれ目標を掲げ、その達成への取組を加速させています。
表1温暖化に伴う極端現象の変化

我が国における影響と目標
気候変動の影響は、自然災害など様々な形で私たちの生活に影響を及ぼし、
我が国は地球温暖化対策の取組を加速させるため、 2020年に 「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2021年には「2030年度(2013年比)46%減、さらに50%の高みに向けて挑戦」という新たな目標を掲げました。
表2その他の影響例
水環境・ 水資源、自然 災害・沿岸域 |
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自然生態系 |
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健康 |
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農林水産業 |
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産業・ 経済活動、 国民生活・ 都市生活 |
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出典:環境省・変動影響評価報告書(2020年12月)
家庭の省エネ化に向けた取組
私たちの日常生活において、世帯当たりに使用するエネルギーはこの半世紀の間に約1.8倍に増加しました。
一方で、現行の省エネ基準を満たす住宅は、僅か1割程度※に留まっています。
これらのことは、省エネの大きな可能性を秘めていることを示唆しています。
脱炭素社会の実現に向けても、2030年度の排出削減目標として、家庭部門では66%削減(2013年度比)が盛り込まれています。
※国土交通省調べ(令和元年)
図1家庭の用途別エネルギー消費の推移

2030年度に家庭部門におけるCO2排出量66%削減(2013年度)という大きな目標に向けて、その排出量の約5割を占める「冷暖房」と「給湯」について重点的に取り組む必要があります。(図2参照)
図2家庭部門の用途別CO2排出割合

冷暖房窓リノベこどもエコ
暖房は、特に多くのエネルギーを消費し、ガスや灯油など使用する燃料の影響もあり、大きなCO2を排出します。四季の温度差の激しい日本では、寒冷地はもちろん全国で冷房よりも暖房により大きなCO2を排出します。
冷暖房によるCO2の排出削減には、住宅の断熱性能を高め、暖房時は、家の中の暖めた空気と熱を外に逃がさない、冷房時は、外の熱い空気や熱を家の中に入れないことが有効です。
中でも、開口部(窓、ドア)における熱の流失入は住宅全体の6~7割に及ぶとされ、壁や屋根に比べても大きな割合を占めます。
図3住宅における熱の流失入割合

これは、我が国の住宅における開口部は、熱の流失入量が大きい「アルミサッシ+単層(1枚)ガラス」の組み合わせが占める割合が約7割※3に及ぶことが原因と考えられています。
我が家の窓やドアを見直し、高断熱の「樹脂サッシ+複層(2枚以上)ガラス」に交換することで、CO2排出の削減に貢献することができます。
本キャンペーンでは、省エネ基準を満たす幅広い窓やガラスを対象に補助を行います。
特に断熱性能が高い窓製品は、先進的窓リノベ事業により高い補助を受けることができます。
※3住宅・土地統計(平成30年)から環境省試算
一緒にリフォームでもっと省エネ
- 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
- ドアの交換
給湯給湯省エネこどもエコ
石油やガスに対する依存率の高い給湯器は、地域に寄らず家庭部門の大きなCO2排出割合を占めます。(図2参照)
給湯器のCO2の削減には、古い給湯器から高効率給湯器への交換が有効ですが、省エネ効果の低い古いタイプの石油やガス給湯器は安価で故障が少なく、なかなか高価な高効率給湯器に交換が進んでいない状況があります。
表3高効率給湯器の種類
家庭用燃料電池 |
◎ |
ガスから水素を取り出し、 |
---|---|---|
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式 |
◎ |
エコキュートとエコジョーズを組み合わせて、 |
ヒートポンプ給湯機 |
◎ |
ガスや灯油を使用せず、 |
潜熱回収型ガス給湯器 |
ガスでお湯を沸かす際に出る排熱を利用し、 |
|
潜熱回収型石油給湯機 |
灯油でお湯を沸かす際に出る排熱を利用し、 |
我が家の古い給湯器を見直し、高効率給湯器に交換することで、CO2排出の削減に貢献することができます。
本キャンペーンでは、上表の高効率給湯器を対象に補助を行います。
特に省エネ性能の高い製品(◎)は、給湯省エネ事業により高い補助を受けることができます。
一緒にリフォームでもっと省エネ
- 太陽熱利用システム
- 高断熱浴槽
- 節湯水栓
省エネだけじゃないうれしい効果
住宅の省エネ化はカーボンニュートラルへの貢献はもちろん、私たちの生活にたくさんの恩恵もあります。
光熱費の削減
エネルギー消費の少ない省エネ住宅は、当然光熱費が安くなります。
10年、20年と住み続けていくうちに、その差はどんどん広がっていくので、 早めのリフォームが断然お得です。
図4年間の光熱費比較

エネルギー価格高騰への対応
昨今の国際エネルギー市場の混乱や国際的な供給不安による、エネルギー価格の高騰への対策も必要です。
危機に強いエネルギー供給体制の構築に向けて、家庭部門の省エネ化をより進めることが重要です。
図5電気・ガスの消費者物価指数(前年同月比)

結露を減らし、カビの発生を抑えます
結露は、家の中の温度と外気の温度差が原因で発生します。
高断熱の窓やドアは熱を伝えにくいため、サッシやガラスが冷たくなりにくく、結露の発生を抑えます。
結露は、サッシ周りのカビの発生の原因になるだけではなく、木造住宅の木材を腐らせる原因にもなります。
窓やドアの交換は、家族の健康や住宅を長持ちさせることにも役立ちます。
図6結露の発生

いわゆる「ヒートショック」等のリスク低減!
断熱は健康面でもメリット
冬季は高齢者による入浴事故リスクが増加する傾向にあり、高齢者の家庭内での溺死の死亡者数は高い水準で推移しています。
断熱リフォームで家の断熱性能を上げることで、部屋間の温度差をなくし家全体を暖かくすることで、健康面へのメリットも期待できます。
<参考>リーフレット「省エネで健康・快適な住まいづくりを!」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/kenkosyoene.pdf
図7日本全国の年間入浴死亡者数と交通事故死亡者数の推測値
